声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】のネタバレ・感想!栄太過去編~板子一枚下は地獄~

漫画「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」は安武わたる先生の作品です。

明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。
母はなく、父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。
ある時父が亡くなり、姉妹は人買いの競りにかけられる。
サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。
紆余曲折あって、チヌは矢津で一番大きな見世「東陽楼」で「千鳥太夫」として働くことになり、そこで数々の出会いや経験を重ねるのだった。

☆前回のあらすじ☆
さんざん矢津を引っ掻き回した真苗は、吉祥とともに東京へ帰っていった。
母への憎しみと慕情を胸に抱いて。
東陽楼では厄落としに盛大な七夕祭りを開き、大盛況のうちに幕を閉じた。
祭りのあと、男衆の栄太は笹の葉を流しに沖に出て…波の上で懐かしい記憶を噛みしめていた。

 

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】のあらすじ・ネタバレ・感想

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】のあらすじ・ネタバレを紹介しますのでご注意ください!

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】のあらすじ

栄太は幼い頃『メシモライ』だった。
『メシモライ』とは、平たく言えば奉公に出された子供のことだ。
6つのときから、タイ漁師の徳松親方と海原を渡っていた。

 

それまで栄太は、気は強いが優しい母親・下半身不随の父親・妹と弟の5人で暮らしていた。
父は事故で背骨を痛めてから寝たきりで、生活はきわめて貧しかった。

なぜか父は栄太にだけつらく当たり、幼い妹や弟には優しかった。
栄太は「わしが何かしたんやろか」と思い悩み、泣いては母に慰められる毎日を送っていた。

 

――そんなある日
この日も栄太は、父に怒鳴られて泣いていた。
そこへ見知らぬ男・徳松がやってきて「こん子メシモライにもらうで」と言って栄太を連れていこうとする。

母は連れ戻すどころか、進んで徳松に息子を託した。
こうして家族と引き離された栄太は、漁船に乗せられ涙にくれた。

 

徳松「いつまで泣いとんのや。人さらいになった気分やわ」
栄太(ホンマに人さらいやねえかっ)

 

栄太のお腹が「ぐー」と鳴り、それに気づいた徳松がおにぎりを差し出す。
この味噌をふんだんに使った、贅沢なおにぎりの美味しいことといったら。

 

徳松「漁師の中でんいっとう腕前のええ奴がタイ漁師になれんのや。おんしも仕込んだるわ。
腕が良きゃあどんどん稼いで船が持てる。船がありゃどこでん好きなとこ行けるぞ、どうだ栄太?」

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】のネタバレ

その晩は島の影に船をつけて、海上で夜を過ごした。

キタノネホシ(北極星)、カジボシ(北斗七星)、イカリボシ(カシオペア)…
輝く星々を眺めながら、家族を思い浮かべてベソをかく栄太。
徳松は「湯たんぽ代わりにちょうどええ」と栄太を小脇に抱え、栄太はぬくもりに包まれてまどろんだ。

それからは徳松のもとで漁を学んだ。
1度漁に出ると何日も陸に戻らず、釣った魚は「出買船」が買い取りに来る…そんな生活が面白かった。

 

サヨリ「どしたんやチヌ」
チヌ「サヨリ姉ちゃん。今なぁ、男ん子の笑い声が聞こえたんや」

 

近くの島では姉妹が薪拾いをしていた。
このときのチヌと栄太はまだ、お互いの存在を知らない。

 

栄太は徳松の教育を受けながら、充実した毎日を過ごしていた。
たまに帰る生家が暗くて味気なく思えるほどに。

漁師としての腕も上げ、13歳のころ大物のタイを釣り上げた。
栄太が釣ったタイは、矢津で一番大きな遊郭・東陽楼の楼主が買い取った。
これが藤富との出会いだった。

 

藤富「栄太っちゅうんか。祝儀じゃ」
栄太「あきまへん旦那、無駄遣いしては!これ1枚で充分…」
藤富「ワハハハ!ええのや取っとき」
お職「そいじゃあうちが…この分祝儀つけたるわ」

 

白塗りの女に抱きしめられ、おどろいて突き飛ばす栄太。

 

藤富「なかなか真面目な子やねぇか徳さん。ええ水夫育てとるわ」
徳松「おおきに。わしの息子のようなもんですわ」

栄太「ペッペッ、おしろいくせぇ」
藤富「そげな顔すな…女たちが命かけとる渡世の匂いじゃ」

 

――

 

栄太はみやげを持って実家に戻っていた。
妹と弟は、いつもお腹を空かせている。
父は不自由な体に加えて病を患い、もう栄太を殴る気力もないようだ。

父は雇われ水夫だったから自前の船はない。
母が浜に捨てられた雑魚や海藻を拾ったり、貝を掘って食いつなぐ毎日を送っている。
まだまだ半人前の栄太が援助したところで、いつまで経っても貧乏から抜け出せない。

 

栄太「母ちゃん」
母「…帰っとったんか」

 

帰宅した母は栄太の顔を見てぎくりとしたようだった。
外では女たちが、母を見てひそひそ話をしている。

 

栄太「海藻売りに行っとったんか?」
母「いつもんとこじゃ買うてくれんで、ふもとの村まで足伸ばしたんや。ここん浜の海藻やイワシはええ畑ん肥やしになるゆうて喜ばれたわ」
栄太(うちゃ、そん『肥やし』を食うとるんやな)

母「ええ薬も手に入ってな、さぁ父ちゃん」
父「ええって」

 

女たちのひそひそ話といい、忌々しげに薬を嫌がる父といい…栄太は小さな違和感を覚えた。
母は父が寝静まったのを見はからって、声を潜めて栄太に問う。

 

母「…徳松さんはようしてくれとるか?」
栄太「ああ…物覚えわりいとゲンコツ飛んでくるけん、わしが焦がした魚、残さず食うてくれるわ」
母「そうか…」

 

父は、それを狸寝入りをしながら聞いていた。

 

――

 

ある日
栄太が魚を干していると、妹が弟をおぶって助けを求めてきた。
弟が畑で転んで足を切ってしまったというのだ。
とりあえず家で応急処置をして、母を呼びに行こうとする栄太だが…その足をつかむ者があった。

 

父「よせ…!いくんやねぇ栄太…!」

 

布団から這い出た父だった。最期の力を振り絞って。
病に侵された体は皮と骨ばかりになり、目ばかりが光っている。
栄太は薄気味悪さを覚え、父の手を振り払い船着き場へ急いだ。

 

母「…もうええやろ、あんたしつっこいんやもん」
男「へへっ。かかあがちょいと留守にしてよォ…」

 

そこで栄太は、見てはいけないものを見てしまう。
母が、村の男相手に体を売っていた。
父は全てを悟っていて、これを見せまいと引き留めたのか…

母を問い詰めると、あっさり肯定した。
父ちゃんの薬代が要る。弟妹もまだ小さい。カネはいくらでも要る。

 

母「母ちゃんはな。父ちゃんのためならなんだってする」
徳松「そりゃそうや。わしを捨ててまで選んだ恋しい男やもんな」

 

いつの間にか徳松がいた。船の修理が終わったから、栄太に知らせに来たらしい。

徳松の口から、栄太は真相を知る。
母・おタネは、もともと徳松の妻だった。
それが父・栄作に恋をして、駆け落ちしてこの村に来た。

 

徳松「――ずっと聞きたかった。おタネ、栄太はわしん息子やろ?そうやろ!?」

 

栄太は、母が駆け落ちした年に生まれている。
栄作も栄太が徳松の子だと疑っていて、つい栄太に当たってしまったのだ。

 

徳松「だけんわしが助けると」
母「そりゃ筋違いや、栄太をメシモライにしてくれただけで充分やわ。そいともあんたも、うちを買いてぇんか?」

 

徳松に平手を食らい、その場から逃げ去るおタネ。
家路につくと幼い子供たちの泣き声が聞こえた。いやな予感がした。
急いで家に上がるも遅かった。栄作は床に伏したまま、すでに冷たくなっていた。

 

――

 

栄太は船を漕ぎ、沖に出た。声を枯らし慟哭した。
波は栄太の心を映し出すように、荒れに荒れていた。
怒りとも嘆きともつかない真っ黒なカタマリを、思いきり叫んで吐き出したかった。
荒波にさらわれ船は砕け散り、栄太は水面にたたきつけられた。

 

徳松「アホウ!!今頃ん西風はいつ激しゅうなるか分からんと…そねえなことも忘れたか!?」

 

栄太を助けたのは徳松だった。
そして悲しみに暮れる栄太にこう言い聞かせた。

 

――母ちゃんを責めるな、栄太。
「板子一枚下は地獄」っちゅうが…世間で生きとるもんは皆、薄い板ん上歩いちょるようなもんや。
そいでん『情け』があるから人は歩いてゆける。
懸命に歩いちょる母ちゃんに…親に…情けかけちゃれ――

 

――

 

夫を亡くしてから母は魂が抜けたようになっていた。
栄作を荼毘に付したあと、栄太は徳松にある頼みごとをした。
「母と妹たちをこの村から連れ出してほしい」と。

 

徳松「わしにおタネとヨリ戻せっちゅうんか!?」
栄太「そいは母ちゃん次第や。けどここにいちゃいけん…わしじゃなんもできねぇ。情けにすがります」

徳松「そいで、おんしは漁師やめるんかい」
栄太「わしゃ船一艘なくしてしもた。そんカネは自分で弁償してぇ」

 

そんな大金を作れるのは遊郭だけだ――かくして栄太は藤富に頼み込んで、東陽楼で働くようになった。

雑用に重労働に、徹底的にこき使われ、1からの見習い生活。
夜になったらなったで、男衆のいびきがうるさくて眠れない。

 

ふと耳をすますと、夜風に乗って波の音が聞こえて。
徳松と過ごした毎日を思い出し懐かしくなった。

 

――こいからも時々、こうして波ん上がなつかしゅうてたまらん夜があるんやろな。
いつまでん、なつかしゅうて、たまらんのやろな……

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声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】の感想

てっきり今回は若水と寿子さんのお話かと思ってて、まさかの栄太会で「あれー!?」となったんですが…なんだか感動してしまって、胸の奥がツーンとしました。
なんか中島みゆきの「愛だけを残せ」を思い出しました。

どうしたら徳松親方みたいな大人になれるんでしょうか。
自分を裏切った相手の幸せさえ願い、窮地を救いたいと思えるような人間になるにはどうすりゃいいんでしょう。
浮気→駆け落ち→極貧生活という経歴を送った人間に対して、世間の反応は「因果応報じゃないか」となりますよね。
自分もそれでスカッとしてしまうクチなので、まだまだ人間的に浅いのかもなぁ…

コミカルでファンタジックな世界観と、やむにやまれぬシビアな人間模様は、安武わたる先生ならではですね。
この胸がほわほわする感覚は、文章だけじゃ書き表せないです。
まだ読んでない人は是非ともご覧になってください!

まとめ

以上、「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~【39話】」のネタバレを紹介しました。

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